元営業マン、カメルーンで教師になる

1994年26歳 求人広告/営業・ライター業務を経て退職。青年海外協力隊員としてカメルーンの小学校に勤務。充実した活動をアピールするよりも、現場経験のない自分が体当たりでどこまでやれるのか、そしてその中で感じた素直な気持ちを書いていきたいと思います。趣味はお茶と登山。

お茶を通して伝えたいもの

時を遡り10月の初旬。

2日に渡り在カメルーン日本大使館が主催する

お茶会にお手伝いとして参加しました。

 

この日のために、

日本から裏千家の先生がカメルーンに直接赴き

来賓の方々にお茶を振舞っていました。

 

 

※因みに、お茶の大きな流派は3つあり

表千家裏千家武者小路千家があり

ぼくは表千家の分派である江戸千家に所属しています。

流派の由来は諸説あるそうですが、

千利休の婿養子の子ども(千宗旦)が、

自身の茶室「今日庵」を建てました。

その「今日庵」から見て表通りに位置するか、

裏通りに位置するかという位置方向で、

今日の三流派の名前が決まったそうです。

 

なので裏千家だから、

怪しげな…

という事は全くなく、

むしろ現在は裏千家が最も規模が大きく、

王道と言われているそうです。

 

 

 

話は戻り大使館主催のお茶会の初日。

大使公邸にて行われました。

来賓の方々は、各国の大使館の方々がメインで

厳格な雰囲気の中行われました。

ぼくは他の有志で集まった同期隊員と一緒に、

裏方で茶碗を片付けなど行いました。

 

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ぼく自身、

他の流派の作法を間近で見るのは初めてで、

特にお茶を点てる際に、

わしゃわしゃ激しく点ててきめ細かい泡を作り出していたのが印象的でした。

 

ぼくの江戸千家とは違うやり方見ていて、

少し抵抗がありましたが、

色々と興味深かったです。

 

 

 

2日目は、

ホテルの大きなホールを借り切って、

一般客向けの開けた会でした。

裏千家の先生が、

お茶の歴史を説明した後、

実際にお点前を披露し、

一通り全員がお茶を堪能した後に、

お茶に関する映画を上映していました。

 

映画はこちら

日日是好日

英語では「Everyday is good day 」と訳していました。

https://eiga.com/amp/movie/88063/

 

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当日は約100人ほどの人が集まったため、

裏方でお茶を点てたり、

お茶菓子として羊羹を出したり、

お茶碗を下げたり慌ただしく動きました。

 

沢山のメディアや、

日本文化に興味のある方々が来られていて、

日本人として日本文化に興味を持つ人が多く、

嬉しかったです。

 

 

 

そんな2日間のお茶会を終えて、

改めて考えること。

お茶を通して何を伝えたかったのでしょうか。

 

事実として、

お茶は日本の立派な文化ではありますが、

ぼくの同世代でお茶を点てたり、習ったりした事がある人は、

残念ながら多くはありません。

つまり日本人自身もお茶というものが、

何なのか知らないのです。

ぼく自身もまだまだ知らない事だらけです。

 

 

ただ、日本を離れ海外で生活する事で見えてくる日本と他国の文化の違い。

文化の優劣ではなく、

日本ではこのような文化として広く広まっている。

それを紹介する手段としてのお茶なのではないかとぼくは思いました。

 

 

例えば、

日本ではご飯は残さず食べましょうと教わります。

一方で中国では、敢えてご飯を残す場面があるそうです。

なぜなら、満腹で食べきれないほどの接待を受けました。という暗喩が含まれているからそうです。

 

このように、

同じアジアでもこれだけ異なります。

 

 

 

なぜお茶を飲む前に茶碗を回すの?

そんな質問はもはや定番でしょう。

これも理由があり、

お茶碗の正面を避けるためだそうです。

お茶碗には必ず正面があり、

お茶を点てる際に、必ず相手に対して正面を向けてお茶を出します。

これが相手に対する敬意や誠実さと言ったところでしょうか。

 

一方で飲む側は、

その敬意に対して、敬意を示し謙遜のような態度を示すため、

その正面を回して避け、そしてお茶をいただきます。

もちろんお返しする時には、相手に正面を向けます。

 

 

 

このような文化は本当に日本っぽいと思いますし、

他の国でこのような風習があるのでしょうか。

 

(お土産を渡す時、つまらないものですが…

という決まり文句があるほど日本は特殊なように感じます。)

 

 

長くなってしまいましたが、

お茶にはそんな日本の精神が詰まったものなのだと思います。

改めてお茶の魅力に気付きました。