元営業マン、カメルーンで教師になる

1994年26歳 求人広告/営業・ライター業務を経て退職。青年海外協力隊員としてカメルーンの小学校に勤務。充実した活動をアピールするよりも、現場経験のない自分が体当たりでどこまでやれるのか、そしてその中で感じた素直な気持ちを書いていきたいと思います。趣味はお茶と登山。

任短も選択肢のひとつ

風の噂で、駒ヶ根訓練所時代の同期が

任短を選択し、

帰国するという話を先日聞きました。

 

そもそも任短とは、

任期短縮の略称で本来定められている任期を

途中で終えて日本に帰国することです。

全体の派遣数から何割程度が任短を選択しているのか、

具体的な数字はわかりませんが、

毎隊次一定数はいるようです。

 

その理由は様々で、

・病気や怪我による活動困難

・精神的なものによる活動困難

・治安情勢による活動困難

・私的事由による活動困難

色々あるそうです。

 

正直カメルーンの同期をはじめ、

自分の周りでは任短という話が全くでないため

考えることがありませんでしたが、

70日間関わりが濃いかどうかは別にして、

一緒に過ごした駒ヶ根同期が任短を選択するのはやはり寂しいものです。

 

特にアフリカという自分と近しい環境だったことから尚更残念だと思うばかりです。

 

具体的な任短の理由はわかりませんが、

病気や怪我、治安的な理由ではなく、

個人的な理由のようです。

 

今回は任短の中でも、

個人的な事由によるものを前提に、

話を進めていきます。

 

任期を全うせずに個人的な理由で放棄するのは

無責任という意見もあるかと思いますが、

それぞれ個人の自由であり考え方があるため、

任短というのも選択肢のひとつなのでしょう。

 

 

気持ちは、わからなくありません。

その国に派遣されるために、

仕事を退職(または休職)して協力隊に参加し、その土地の言語や文化を学ぶ。

自分のスキルを活かして、その国の人々に貢献したいという志高い想いを胸に、

70日間の訓練を経てようやくたどり着いた任国。

 

しかし現実は、

隊員のお金を目当てにしたり、

こちらの想いと現地の人の温度差の違いに戸惑い、

場所によってはアジア人差別を受けてしまうことも。

また価値観が現地の人と大きく異なりすぎるか故に、こちらの考え方が理解されなかったり

結果的に相手に裏切られてしまうことも。

 

外を歩けば周りと見た目が違うことで、

周りの人に絡まれたり、

常に周りから見られている意識もあり、

気の休まる場所も少ないとのこと。

人によっては自分の住む地域に日本人は、

自分だけでこの悩みを理解してくれる人が近くにいない。

 

そんな全てが綺麗事で済まない国際協力と目の前の現実とのギャップに大きな疲労と、

苦悩があるのかもしれません。

 

それが協力隊の現実であり、

それを乗り越えた先の何かがある種、

協力隊の魅力なのかもしれません。

 

そんな環境では心を壊してしまう可能性もあるとのことで、

きっと任期短縮という道をJICA側も用意しているのだと思います。

(もちろんJICAは活動の成果よりも、

任期を全うすることに価値があるとよく言っています)

 

だからこそ、

任短の選択は協力隊員の権利でもあり、

救済措置でもあるのです。

 

 

 

ぼくの意見としては、

上に書いたように選択は隊員の自由なので、

外野がとやかく言う問題ではないと思っています。

 

ただ、ぼくは2年の任期を全うしたい。

それだけです。

当然色々な苦悩や不満はあるかと思いますが

それを愚痴ってこんな場所にもういられないっと啖呵を切って日本に帰るほど悲しいものはないとぼくは思います。

 

※人によってはポジティブに、

自分がいなくても現場は上手くいってるし、

もうここに残る必要はない。

そんなポジティブな任短もあるかもしれません。

そんな人には、要請に拘らず

課題を見つけそれに取り組んで見たらどうでしょうか。

そんな風に思ってしまいます。

 

 

そもそもぼくの中にある軸として、

協力隊参加に手を挙げたのは誰だっけ?という話です。

JICAや周りの人からお願いされた訳ではなく、

全員自分が手を挙げ志願したはずです。

冷たい言い方かもしれませんが、

たとえ不遇な待遇を受けたとしても、

それは自分が選択したこと。

自分の決断です。

(自分の母親には特にこの考え方を口酸っぱく言われました)

 

 

しかも、外国人がひょっこり任国に来て

いきなり何かを改革して、

現地の人たちに感謝されるという出来すぎたストーリーなんて殆ど無いんじゃないかと思います。

帰国した先輩隊員たちも何かしらの苦労や苦悩など色々な葛藤の中で戦い、

そしてやり切った。

その結果として、周りに何か貢献したという筋書きの方が圧倒的に多く聞きます。

 

 

隊員として日本を離れる前に、

沢山の先輩隊員の話や、

協力隊に関する話を聞きます。

それを聞いた上で、

自分で選択をしたのだから、

環境や待遇に文句や言い訳をして嘆くよりも、

どうやったら好転させられるかを考えた方が

少しでも次に繋がるとぼくは考えています。

 

 

任国での生活にも慣れ、

当初の新鮮さもなくなった今、

精神的に不安定になりやすい時期なのかもしれませんね。

 

 

改めて自分がなぜここにきたのか。

その想いを大切に、

そして結局は協力隊という物を美化せず、

愚直に目の前の活動に励む。

これが大切だと思います。

 

自分もしっかり最後までやり切りたいので、

気を引き締めて頑張っていきたいです。

 

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