元営業マン、カメルーンで教師になる

1994年26歳 求人広告/営業・ライター業務を経て退職。青年海外協力隊員としてカメルーンの小学校に勤務。充実した活動をアピールするよりも、現場経験のない自分が体当たりでどこまでやれるのか、そしてその中で感じた素直な気持ちを書いていきたいと思います。趣味はお茶と登山。

よく飲み、よく学び、よく考えた1週間(2)

※長くなりそうなので、

2つに分けています。

 

 

2つ目。

これは嬉しかった話です。

 

話は遡ること2ヶ月前。

ぼくの部屋には初期装備である家具が、

殆どなく作業机を欲していました。

 

偶然家の近所に個人で家具を作る兄さんがおり、

挨拶する仲が始まりました。

ある日机と椅子を探していることを伝えると、

作れるよとのこと。

 

f:id:kake02:20190504201058j:image

 

デザインやサイズも要望通りで、

大満足でした。

カメルーン人らしく納期はルーズですが、

丁寧な仕事と彼の人柄に好感を持ちました。

 

そこで次のお願いとして、

家の床をフローリングっぽくしたいと相談しました。

 

(Before)

f:id:kake02:20190504192943j:image

(After )
f:id:kake02:20190504192939j:image

 

 

結果これも、期待通り。

いやそれ以上の仕事振りでした。

 

 

前置きが長くなりましたが、

本題はここからです。

 

作業はかなり大変そうで、

家具兄さんと相方の2人がかりで行いました。

(ぼくも少しお手伝いしました)

 

そこで完成したら、

「みんなでビール飲もうぜ。」

そんなお誘いをしてみました。

 

他の人を自分の部屋に入れることには、

かなり抵抗がありましたが、

彼らの人柄ならいいかなと思っての判断でした。

(そもそも床の作業で家には入ってましたが笑)

 

お誘いを快諾した彼らは、

夜仕事終わりに来てくれました。

 

f:id:kake02:20190504194303j:image
f:id:kake02:20190504193739j:image

 

大した事は出来ませんでしたが、

初めての箸を使っての食事も楽しんでくれた様子。

また酒を飲みながら、

お互いの地元の話や、

日本やカメルーンの音楽についてなど

かなり盛り上がりました。

 

このような経験は初めてだったのですが、

ぼく自身も一歩踏み越んだ甲斐あって、

とても楽しかったです。

お互いの距離が縮まった実感もありました。

 

 

さらに嬉しかったのは、

相手から、

また明日酒を飲もうというお誘いがあったこと。

 

偶然翌日は勤労感謝の日のようで、

祝日とのこと。

というわけで、2日連続で。

 

f:id:kake02:20190504194731j:image

(任地ムフーが誇るbana・bane・barにて)

 

今回は個人的に贔屓にしている、

酒屋さんへ。

店主であるママさんも一緒に。

 

この日もとても楽しかったのですが、

それ以上に感動したのが、

家具兄さんの計らいでした。

 

「昨日はご馳走になったから今日は出すよ」

 

教養のないカメルーン人と、

家具兄さんを同じ括りにするのも失礼な話ですが、

普段カメルーン人からは、

金をくれくれと言われ続ける身として、

この言葉は身に染みて嬉しかったです。

 

単純に酒代が浮いたという、

安っぽい感情ではなく、

Give & Take の関係が成り立ち、

躊躇いもなく実行した彼の心意気に感動しました。

 

1本じゃ足りないだろうと、

瓶ビール2本買ってくれたり。

途中で席を外して、

ツマミを買ってきてくれたり。

 

 

上手く言葉で表現するのが難しいですが、

なんか一歩踏み越えたコミュニケーションというか、

現地の人と同じ目線で同じ時間を共有している。

そんな感覚がすごく嬉しく、

居心地が良かったです。

 

ぼくたち日本人の価値観からすると、

当たり前な気もしますが。

 

またこの出来事で、

自分自身がどこか無意識レベルで、

人種や国の違いという線引きをしていた。

そんな後ろめたさも少しありました。

 

もちろん日本にもカメルーンにも、

嫌な人は沢山います。

 

でもそれと逆に、

良い人も沢山います。

 

難しいことですが、

改めて色眼鏡なしに、

その人の本質を見て、

コミュニケーションを取りたいと思いました。

 

 

今回はぼくが少し踏み込んでお誘いしたことが、

きっかけとして素晴らしい体験をさせて貰いました。

こういう人達は、

大切にしたい存在だと思います。

 

 

 

※お互い傷つかないために、

家に呼ぶ際は貴重品の管理を徹底する。

これは日本、カメルーン関係なく必要だと

思います。

ぼく自身も、

自分が嫌な思いをしないため、

そして疑いたくないため、

最低限の予防はしました。