元営業マン、カメルーンで教師になる

1994年26歳 求人広告/営業・ライター業務を経て退職。青年海外協力隊員としてカメルーンの小学校に勤務。充実した活動をアピールするよりも、現場経験のない自分が体当たりでどこまでやれるのか、そしてその中で感じた素直な気持ちを書いていきたいと思います。趣味はお茶と登山。

訓練所生活~ストイック語学訓練③~

前回そして前々回と、

2回にわたり語学訓練の内容をお伝えしました。

 

 

kyouryokutai.hatenablog.jp

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本日は語学訓練の総括と、

ぼくが考える語学の話をします。

 

目次

 

訓練所はやっぱり日本一の語学学校だった

振り返ると70日間常に語学やそれ以外の座学やプログラムで、

ゆっくり休む暇がないほど走り続けていましたが。

それでも最後までしっかりやりきらせる環境が整っていたおかげで、

充実した時間を過ごすことができたと思っています。

 

そしてその継続を支えてくれたのは、

同期隊員の存在だったと思います。

初めてのフランス語、同じ志を持って参加した協力隊。

置かれている境遇が近いこともあり、

時には試験の点数を競ったり、時には夜に自習を一緒にしたり。

互いに切磋琢磨できた良い関係だったんじゃないかと思っています。

 

もちろんバックグラウンドが違う人同士が集まるため、

感情的にぶつかることや、

相手の価値観が理解できない、

追い込まれて不安定になる人など様々います。

価値観が成熟している社会人が70日の共同生活を行うわけなので、

このような衝突は少なからずあるのだと思います。

 

しかし、最後の退所式ではみんなが思い思いの感情が溢れ出て、

互いの頑張りを涙して認め合う。

そんな経験は後にも先にも多くはないのでしょう。

 

そういう意味でも、

語学力の向上はもちろんですが、

これからより過酷な途上国に派遣されるにあたり、

人間として成長できる場所だったのだと思います。

 

 

◇最終日の様子◇

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壮行会では伝統となっている語学の先生のスピーチと通訳。

ぼくらの隊次はフランス語が担当するとのことで、

ぼくの担任の先生とぼくが壇上にあがり、

スピーチをしました。

(彼は日本語も流暢なので通訳の必要はないのですが、これもパフォーマンス笑)

 

 

  

 

フランス語力はどれくらい向上したのか

実際に資格試験を受けた訳ではないので、

明確にどのくらいの力が身に付いたかわからなかったのが正直なところです。

 

目安として授業の後半では、

フランス語検定3級レベルのの問題をやっていたそうなので、

そのくらいのレベルには達していると担任の先生は言っていました。

実際のところどうなのでしょう、、、

 

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フランス語教育振興協会より

合格のための必要勉強時間は、

200時間と書いています。

少なく見積もっても授業と

自習で1日6時間はフランス語に触れていたことを鑑みると

70日で420時間。

射程圏内ではあると思います。

 

 

 

実際に現地で通用したのか

訓練所では現地で活用できるためのフランス語として勉強しました。

一流の先生と一緒に短期集中で勉強しました。

 

 

でも実際に現地に行ったら、

通用しませんでした。

 

 

これが現実なのかと、

最初はがっかりした記憶があります。

ですがむしろ、

たった数か月で語学を習得できるほうが不思議なくらい。

 

現地の訛りや言い回しの違いなど多少あるかもしれませんが、

やはり知識を入れて、忘れて、また入れる。

この繰り返しによって定着し、

その結果「慣れ」がくるのだと個人的には考えています。

 

実際ぼくがカメルーンの人たちと、

「なんか会話できているかも」と実感し始めたのは、

現地で生活して4.5か月くらいだったと思います。

 

その実感が体感できると、

今までが無駄ではなかったと胸を張って言えることにもなり、

語学の勉強にさらに身が入りました。

 

 

語学の勉強は自転車のようなイメージだと思います。

漕ぎ始めはペダルは重くバランスを崩しやすい不安定な状態ですが、

前輪と後輪、言い換えるならインプットとアウトプットの2輪を

バランスよく回していくことで、

次第にペダルが軽くなりバランスが安定する。

 

最初は苦しいかもしれませんが、

できることが増えると語学の楽しさに気づくのかもしれません。

 

 

 

語学はツールである

 ぼくは協力隊を志望したときは、

英語圏の派遣を希望していたので、

今までの自分はフランス語のフの字もありませんでした。

 

それが縁あってカメルーンへの派遣が決まり、

訓練所でフランス語に触れ、

それを使ってカメルーンの人たちとの繋がりが持てました。

 

本当に文章を書いている今も、

この不思議な繋がりに感慨深さを感じています。

 

フランス語の扉を開いてくれた、

訓練所の担任の先生には今でもすごく感謝しています。

 

そして彼のおかげで、

カメルーンの人と出会い、

友達や頼れる同僚ができたり、

カメルーンの人たちと様々なできごとを体験しました。

 

 

語学の勉強をしていると、

目先の点数や問題集の正答に捕らわれてしまいがちで、

その勉強は退屈で我慢の連続だと思うことがありました。

 

実際に今、

来月に控えた語学の試験勉強をしている自分も、

そのような思考に無意識的に陥ってしまうものです。

 

しかし今ではネットによって、

気軽に国境を越えてたくさんの人と繋がることができる恵まれた時代です。

日本に一時帰国中の今でも、

頻繁にカメルーンの人たちから連絡が来ると、

彼らとの繋がりを思い出します。

 

 

ぼく自身もまだまだ語学のレベルが高いわけではありませんが、

語学を学んだ先にある多くの人とのコミュニケーションを楽しみに、

これからも継続して頑張りたいと思っています。

 

それぞれ学んでいる言語は違うかもしれませんが、

一緒にがんばっていきましょう! 

 


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