元営業マン、カメルーンで教師になる

1994年26歳 求人広告/営業・ライター業務を経て退職。青年海外協力隊員としてカメルーンの小学校に勤務。充実した活動をアピールするよりも、現場経験のない自分が体当たりでどこまでやれるのか、そしてその中で感じた素直な気持ちを書いていきたいと思います。趣味はお茶と登山。

訓練所生活〜ストイック語学訓練②〜

前回から駒ヶ根訓練所の語学訓練について

どんな流れで過ごしてきたのか

お伝えしました。

 

前回の記事はこちら

kyouryokutai.hatenablog.jp

 

 

今回はそんなカリキュラムの中で、

通常授業とは異なるイベントがあったので、

そこを深掘りしていきます。

 

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 主なイベントはこちら。

 

 

 

中間試験

 

こちらは名前の通り、

訓練期間70日のうちの半分にあたる、

35日前後で行われる語学試験です。

 

日頃の授業範囲から出題されますが、

リスニング、筆記、オーラルと

総合的に評価されます。

これはフランス語に限った話ではなく、

全ての言語共通の試験方法のようでした。

 

オーラル試験では、

現時点の授業に関してどう思うかなどの

日常会話から、

自己紹介や派遣国カメルーンについて聞かれた記憶があります。

 

 

具体的な得点や採点は忘れてしまいましたが、

合格点が定められており、

これを下回るとJICAスタッフとの

面談+外出禁止のペナルティがあります。

 

これは噂レベルだと思っていましたが、

実際に面談に呼ばれた隊員もいるようで、

脅しではないため、

試験前は特にみんな必死で勉強していました。

 

 

※基本的に英語は既に既習済みのため、

TOEICのような試験タイプのため、

試験範囲は一応あるようですが、

他言語に比べて幅広いようです。

 

 

 

語学交流会

 

こちらは中間試験が終わってからの

イベントです。

実際に今まで学んだフランス語を使って、

ネイティブの人たちと会話を通して、

より実践的な語学力を身に付ける

目的があります。

 

この語学交流会は

2つのパートに分かれています。

前半は各クラスに1人ネイティブの人がつく形になっており、

各クラスで事前に企画したものを行います。

 

ぼくたちのクラスは、

日本在住のセネガル人の方で、

初めに自分たちの出身紹介をプレゼンし、

その後来てくれたセネガル人に対して、

自由に質問するという内容でした。

 

他のクラスでは、

日本の伝統文化を伝えたり、

一緒に工作したり、

ゲームをしたりと自由度が高く、

自分たちで授業を作り上げるようなものでした。

 

 

後半では、

フランス語全クラスが講堂に集まり、

フリートークを行いました。

ぼくは後半パートの司会進行を

務めることになり、

始まりの挨拶と終わりの挨拶を

無事に成し遂げるというミッションに

押し潰されそうになり、

あまり積極的に色々な人と話せなかったのが

少し残念でした。

 

しかし訓練生にとっては、

初めて先生以外でフランス語話者の人たちと

フランス語を使って

交流する機会でもあったため、

とても今後の語学勉強の励みになる1日だったと思います。

 

 

この語学交流会を通して感じたことは1つ。

それは

「あれ、意外と相手に伝わる」

という確かな実感でした。

 

もちろん相手の話すスピードに

ついていけない、言いたい事が言えない

そんなもどかしさ。

 

まだまだ勉強不足を痛感しましたが、

相手が自分の話を聞き取ろうと耳を傾け、

そしてこちらも相手を理解しようという

スタンスでいると、

不思議と通じ合えるという事がわかりました。

 

1日限りのイベントでしたが、

とても有意義なものでした。

 

 

 

アトリエ

 

これは実際に現地の活動を想定したもので、

教育系であれば模擬授業、コミュニティ開発などの職種であれば模擬ワークショップ。

そんな位置づけの授業です。

 

従って既存のクラスではなく、

完全に職種ごとに別れたクラス編成となり、

担当の先生もシャッフルされました。

 

ぼくのクラスは、

ぼくを含め全員小学校での活動を予定されている隊員のため、

模擬授業中心で行われました。

 

1人1回のみでしたが、

20分時間を任されており、

その時間で自分で構成した授業を

フランス語のみで行いました。

 

模擬授業のバリエーションは豊かで、

体育をやった隊員もいれば、

算数を行った隊員もいました。

 

ぼくは音楽・図工・体育を中心とした

情操教育が活動のメインテーマだったため、

図工をテーマに、

シャボン玉と絵具を使って画用紙に模様をつけるといった内容でした。

 

経験済みの今でこそわかることですが、

実際現地に行くと道具は何もなく、

また子どもの人数も100人近いため、

教材を準備するということ自体が、

とてもハードルの高いことです。

 

他にも理由は色々あるのてすが、

結局ぼくはカメルーンで図工は2,3回のみで

現地で持続的に活動できるやり方を

模索し続けていました。

 

従って、このアトリエの経験が

直接現地の学校で活かせた訳ではありませんが

まず自分で授業をやってみる。

この経験はとても大きなものだったと今でも思います。

 

愚直に机の上で勉強することも大切ですが、

節々に自分のモチベーションを

高めてくれたり、

時には発表という緊張感のある

場面を設けるなど、

とても70日間やり切らせるためのノウハウが詰まっているカリキュラムだと思います。

 

 

期末試験

 

訓練所の卒業を賭けた最終試験です。

これが終われば訓練所生活も終わる、

そんな感傷に浸る場面もありながらも、

最後の大詰めで皆勉強を続けていました。

 

因みに、

どうしても中間試験を過ぎたあたりで、

試験は思ったより

絶望的な試験ではないという事がわかり、

学習意欲が緩む傾向があるようなのです。

 

しかし、中間試験から期末試験までの追い込みが、1番伸びると言われているだけあり、

ぼくのような下位クラススタートだった人が

気付いたら追い越している。

そんな事が起きるようです。

 

実際にカメルーンに到着して、

現地語学訓練が1カ月あり、

その時のクラス編成では、

真ん中のクラスに上がっていました。

 

試験内容は中間試験と同様に、

リスニング、筆記、オーラルの3つ。

この成績で訓練所卒業かどうか決まります。

ぼくらの隊次は全員卒業できましたが、

過去には卒業できなかったor派遣までの間に個別で語学の課題を課される

という人がいたようです。

噂レベルですが、、

 

 

ぼくの体感としては、

語学の先生を信じて

言われた通りの勉強をすれば、

難しいと言われるフランス語でさえ、

基礎は身につくと思っています。

 

むしろ更に難易度が高いであろう、

アルファベットを使わない現地語の人たちは、

文字から勉強を始めて、

最終的に現地に派遣されるレベルにまで

引きあげられます。

 

そう考えると改めて、

訓練所はすごい環境だと思います。

(今思うとまだまだレベルが低いと断言できますし、現在のぼくの語学力も

今後の自分から見たらまだまだ低レベルだと感じると思います。)

 

 

 

次回は語学訓練の総括として、

締めたいと思います。