元営業マン、カメルーンで教師になる

1994年26歳 求人広告/営業・ライター業務を経て退職。青年海外協力隊員としてカメルーンの小学校に勤務。充実した活動をアピールするよりも、現場経験のない自分が体当たりでどこまでやれるのか、そしてその中で感じた素直な気持ちを書いていきたいと思います。趣味はお茶と登山。

見たくない光景

同じ学校に週5日間、

きっちり通っているので、

次第に学校の流れや各学年の雰囲気が、

見えてきました。

 

でもそれはいい光景だけとは限らない。

それが現実なのでしょうか。

 

ぼくが見たくない光景、、

それは、、

 

体罰です。

 

 

そう、

カメルーンでは

先生が子どもに体罰をするようです。

 

日本にいた時に、

事前に体罰の現状は聞いてはいましたが、

いざ目の当たりにすると、

かなりショックを受けました。

 

自転車のタイヤを切った、

ゴムで叩いたり。

耳や頬を抓る。

木の棒で叩く。

かなり強めで音が教室に響くことも。

 

暴力だけではなく、

教室の隅で跪かせたり、

苗植えのポーズで静止する

というものもあるようです。

 

これらの使い分けはまだわかりませんが、

いずれにせよ、

日本では考えられない光景です。

 

 

しかもぼくが悩ましいと思うのは、

体罰される時。

 

授業中によそ見したり、

マナー違反のようなことをして

怒られるだけでなく、

先生の質問に間違えた回答をする。

素早く答えられずにもたつく。

 

それだけでも、

体罰の対象となってしまいます。

 

だから子どもは、

元気よく積極的に手を挙げますが、

先生に凄まれると萎縮しています。

 

ある子どもが黒板の前で板書する時、

スペルミスがありました。

先生が子どもの前まで来て、

腕をあげました。

ただスペルミスを添削するために。

 

しかし先生が板書しようと、

腕をあげた瞬間、

子どもが後ろに仰け反りました。

 

それは悲しかったですね。

 

 

学ぶために学校に来ているにも関わらず、

子どもの知的好奇心と積極性、

そして考える時間が、

体罰によって搾取されていると

ぼくは感じました。

 

 

授業中、

常に鞭を携えてる先生に、

理由を問いました。

 

その回答は、

小さい子どもは口では理解できない。

子どもに理解させるためには

必要とのことでした。

 

でも、

カメルーンでは体罰は禁止されているとも、

言っていました。

 

中々踏み込んで聞けなかったのですが、

ぼくが体罰を見かけた学年は、

日本でいう小学1〜2年生の低学年クラス。

幼稚園でも体罰

当たり前のようにあるようです。

 

 

ぼくの住む家のお隣さんは、

カメルーン人です。

 

彼は小学生の時の英語の先生が、

体罰ばかりする先生のようで、

そのせいで英語が嫌いになった。

そんな話をしていました。

 

カメルーンではフランス語圏と英語圏

2つの公用語を持つ国なので、

フランス語と英語がペラペラの人は、

珍しくありません。

 

しかし、

彼は全くというほど英語ができないそうです。

 

 

 

ぼくの意見は、

体罰そのものと

その後の影響について考えると、

やはり体罰を肯定することはできない

という結論です。

 

 

今は自分の授業の時は、

体罰禁止を掲げてやっていますが、

また違った形で周りの先生に伝えられたら。

そんな気持ちです。

 

 

異文化理解が必要な協力隊ですが、

カメルーンの場合は、

そもそも体罰は禁止されている。

でも現場レベルでは横行している。

 

そうであれば、

そんな悪しき慣習は無くなるべきでしょう。

そしてそれに尽力することは、

間違っていないはずであると思います。

 

 

長くなってしまいました。

最後に、

ぼくが書いた内容は、

あくまでぼくが見て聞いたものです。

 

先輩隊員のお話では、

カメルーンでは少しずつ体罰に対する

考え方が変わってきているようです。

 

一個人の意見と解釈と、

捉えて頂けたら幸いです。