元営業マン、カメルーンで教師になる

1994年26歳 求人広告/営業・ライター業務を経て退職。青年海外協力隊員としてカメルーンの小学校に勤務。充実した活動をアピールするよりも、現場経験のない自分が体当たりでどこまでやれるのか、そしてその中で感じた素直な気持ちを書いていきたいと思います。趣味はお茶と登山。

【面接編】協力隊の選考

前回まで書類選考の具体的な書き方について、

お話ししました。

今日の内容は面接です。

書類選考を突破すると、面接日程日が送られます。

そして会場ではその日中に人物面接と技術面接が行われます。

 

 

当日の流れ

当日のそれぞれの面接時間は20分程度です。

従って人物面接と技術面接を足し合わせても40分程度で、

それ以外の時間は待機となります。

この待ち時間が正直かなり長いので、けっこうくたびれます笑

 

当日は大講堂のような大きい会場に集まり、

注意事項や説明を聞きます。

そして配布された紙にそれぞれの受験生の面接時間が記載されており、

時間になったら別会場に移動し、扉の前で待機するような流れです。

基本的に面接は午前中1回午後1回で、

それ以外の時間は多少の記入事項など事務作業はありましたが、

ほとんどの時間は待ち時間であるため、集中力が途切れてしまいやすいのがネックです。

ぼくの場合は、10時くらいに人物面接を行い技術面接は15時付近だったと記憶しています。

 

会場には約300人ほどの受験生が集まっており、

過ごし方は人それぞれです。

隣り合わせた受験生と会話をしたり、面接を受けた人にどんな雰囲気だったか感想を聞いたり、読書をして過ごしたり。

個人的におすすめなのは、既に面接を終えた受験生から面接の雰囲気を聞くことです。

特に技術面接では、面接官は固定されているためどんな雰囲気なのか予め想定できるのは

大きな強みになります。

因みにぼくの場合は、扉の前で自分の面接を待っていると

中から笑い声や穏やかな雰囲気が聞こえてきたので、心の中でガッツポーズをしましたが

いざ自分の順番になるとそれまでの雰囲気が完全にリセットされており、

目の前には仏頂面のおじさんがいました・・・笑

 

 

人物面接

人物面接ではその名前の通り

【その人が協力隊員としての資質を持ち合わせているか】を判断するための面接です。

質問内容は主に書類選考で書いた内容からされることが多かった印象です。

面接官は2〜3名でJICAの職員が担当しているようです。

 

・自己紹介

・志望動機

・どの国を希望していて、その理由

・なぜこのタイミングで協力隊に志願するのか

・周りの人の反応は

・自身の強みや弱み

・弱みに対してどのように現地で乗り越えていくか

・活動でうまくいかない場合どう対処するか

・協力隊後の進路

 

そこまで難しい質問はされなかったと記憶しています。

特に自分の場合は、社会人3年目のタイミングで退職して参加をする意向だったため

社会人として仕事盛りのタイミングで退職してまで参加する理由や、

それに対して会社や家族など周りの人はどんな反応をしているのか尋ねられました。

ぼくは決まってから会社に報告してしまいましたが、

できれば事前に周りに相談できるといいと思います。

個人的に考える人物面接のポイントは2点です。

 

1)志望度の強さ

この面接をクリアすると合格となり派遣時期・派遣国・派遣前の研修など

全てが決まった状態で通知されます。

従ってJICAとしては、

採用を通知した時点で派遣国に対しても派遣予定者の詳細情報を通知をしており、

全ての細かい日程に沿って派遣準備を行なっているようです。

応募者が辞退するパターンだけは何としてでも避けなければいけないため

意思が固まっていないでとりあえず参加や、周りの反対を押し切っての参加に対しては

シビアな目で見られている可能性があるため意思を固め、周りの理解を得た上で選考に臨む必要があります。

 

2)メンタルコントロール

途上国という過酷な環境に派遣されるため、

辛い時でも耐えられるのかどうかの忍耐力やメンタルコントロールができるかどうか。

ここは面接官が注意深く見るポイントだと思います。

実際に派遣され、途上国の田舎村に日本人1人。

そんなケースも珍しくありません。

残念ながら現地の人々とのコミュニケーションがうまく取れず、

ストレスを上手に発散することもできず、

途中で帰国をしてしまう任期短縮という道を選択した隊員は毎年どの隊時にも一定数います。

「辛い経験をどう乗り越えたのか」この部分はしっかり面接準備することをお勧めします。

 

 

技術面接

技術面接では、

【その人物が現地で活動するためのスキルを持ち合わせているかどうか】を判断します。

人物面接と異なる点は、

JICA職員以外に技術顧問として外部の専門家が面接を担当しています。

従って、その専門家が技術力を問う具体的な質問をしてきます。

これは職種によっても大きく異なりますが、

ぼくが受けた小学校教育の面接では下記のような質問をされました。

 

・30秒で自己紹介

・志望動機

・なぜ小学校教育を選択したのか

・選択した国の理由

・現地でどんな活動をしていきたいのか

・参考になった先輩の活動やアドバイスなどあったか

・情操教育とは何か

・アクティブラーニングについて説明

 

それ以外にも聞かれたと思いますが、

忘れてしまいました・・・

他の隊員の方々も同様の面接対策に関する記事を投稿しているので、

参照してみてください。

因みに教育系でも理数科教師という職種の場合は、

円周率の原理や、〇〇を立証する実験を説明するなど

職種に特化した質問があるようです。

同様に技術面接のポイント2点を挙げます。

 

1)聞かれたことに対して簡潔に答える

これは面接では当たり前ですが、

専門的な質問に対しても簡潔にわかりやすく答えることを意識していきましょう。

面接の緊張感で上手に焦ってつい長々話してしまったり、わからないのにわかったふりをして

回答してしまうのであれば、考える時間をもらって答えたり

時には正直に「勉強不足でわかりません」と伝えることも必要だと思います。

 

2)現地の活動を具体的にイメージできているかどうか

物や設備が整っていない環境の中で、

どう活動していくのか事前にイメージしておくことは大切です。

どんなに素晴らしい理想論を語っても、資金力の乏しさや日本と異なる教育環境の前では

無力となることなどザラにあります。

ぼくが現場経験がなかったのに、それなりに活動できていたのは

ぼくのようなスキルのない人間でも

活動できてしまう教育環境だったという理由もあると思います。

そういう意味では、改めて日本の教育レベルの高さを感じられる瞬間でもあります。

 

 

まとめ

実は当時ぼくを面接した技術顧問のおじさん先生とは、

合格後に3ヶ月の派遣前訓練が始まる前の小学校教育専用の1週間研修で再開しました。

色々話を聞いてみると、もともとは小学校の教員でその後校長となり定年退職。

そんな背景もあるので、当然小学校教育に関してプロ中のプロでした。

 

技術顧問の先生の話を聞くと、

面接では別に粗探しをしているわけではなく、

子どもたちと一緒に学びながらその知識を還元できるスタンスを持ち合わせているかどうか判断しているとのお話でした。

面接中はとても怖い印象だったのですが、

実際はとても優しく、現地に隊員を送り出す重要な仕事として誇りを持っていました。

そして自分が送り出す隊員だからこそ、

自らが企画した1週間研修でできる限りの知識を伝え、

現地で活躍して欲しいと願っての行動だったようです。

過去には高齢にもかかわらず、カメルーンへ活動見学の視察に訪れたこともあったようで

そんな素晴らしい方でした。

現在は技術顧問を引退されたようですが、

協力隊を願う気持ちは変わらないのだと思います。

 

面接と聞くと、

受験者 VS 面接官のような構図になりがちですが、

ぼくは、

【途上国支援をしたいという者同士の意思やスキルのすり合わせの場】であると思います。

もしスキル不足なのであれば、

また勉強しなおて再挑戦すればいいだけの話です。

ぼく自身も学生時代に応募して面接で落ちましたが、

その2年後に協力隊員になることができました。

 

もし協力隊に興味があって応募を検討している方がいれば、

インスタからDMを下されば、自分のできる範囲でお手伝いできればと思っています。

 

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