カメルーンは合理的だと思う。豊かさってなに?
カメルーンで生活していても、
カメルーン人を断片的にしか見れないため、
普段どんな生活をしているのか意外と見えないもの。
最近は仲良いカメルーン人には、
会話の中でお金の話や、余暇の過ごし方
進路の話や教育のことなど、
互いの国の一般的な話をよくします。
日本では見栄もあるでしょうが、
お金の話はうわべで隠しがち。
一方でカメルーンはあっけらかんとした様子で
お金がないと言いながらビールを飲んでいることがしばしば。
カメルーン人の一般的な家計はどういう仕組みになっているのか気になるばかりです。
聞いた話だと、
職業にもよりますが、
平均月収は6〜10万フラン(約2万円)
事務所の役職持ちで30万フラン(約6万円)
協力隊は各国によって現地生活費の支給額は変わるそうで、
カメルーンだと30万フラン(約6万円)
一般的な水準よりは高いようです。
しかし、カメルーンに住んでみて
いわゆるアフリカで飢えに苦しんでいるというような危機的な状況の人を見かけたことがありません。
もちろん地域によって差があるのかもしれませんが、
カメルーンは中央アフリカの中でも比較的豊かであることは統計的にも示されているそうです。
自然豊かで野菜や果物は豊富。
石油や木材などの資源も豊富で、輸出の際大きな強みとなっているそうです。
言葉にして伝えるのが難しいのですが、
最低ラインは超えてきている。
そんなところでしょうか。
もちろん安全基準を超えたボロ車が、
人数超過で走っていたり。
アスファルトも穴だらけだったり。
高速道路や鉄道もないため移動に時間がかかるなど。
(正確には鉄道はありますが、旅客用としてはまだまだ普及していないのが現状)
(早朝と深夜1日2本のみ)
日本人目線でみると、
まだまだ開発途上のように思いますが、
意外と現地で生活をしていると、
これでも事足りてしまうものです。
言い方を変えると、
人数超過も一度に多くの人を乗せて、
利益を回収したいという背景もあるだろうし、
アスファルトの穴も避けて通ればまだまだ使えるという感覚です。
これをみると、
カメルーン人にもそれなりの理由があり、
ある意味理にかなっているように思います。
カメルーンと日本を比較すると、
豊かになるという事は生産性が上がること。
時間という単位に付加価値がプラスαされるようなイメージをぼくは持ち始めました。
例えば、
移動という行動は日本もカメルーンも同じですが、
前者は狭い窮屈な車内で移動するか。
後者は空調やクッションが整備された快適な車内で移動する。
又はより早い移動を実現させたり、Wi-Fi完備により移動中も別の作業が可能となる。
このように、
移動という行動は同じでも、
それにかかる時間を削減したり、
または移動中に別の作業を可能にすることで時間あたりの生産性を向上させる。
ここに決定的な豊かさのアドバンテージが生じているのだと思いました。
もちろん前者後者もどちらも、
目的地に到着するという事実は変わりません。
(安全面など別の要素もありますが行動という点でのみ)
従って目的地に到着するまでの過程が、
豊かさによって変わるのではないでしょうか。
似たような例をもう一つ、
日本という括りの中で挙げます。
前者は毎朝通勤ラッシュに耐えながら出社。
後者はタクシーで快適に出社。
これも同じで、
結局は目的までの過程の質が大きく異なります。
満員電車よりはタクシー移動の方が当然快適ですし、座ってパソコンで作業しながら移動ができる訳です。
これを踏まえると、
豊かさの基準ってかなり曖昧で、
これを下回ると命の危険があるという水準は当然あるためそこに対する何らかの働きかけは必要ですが、
その水準を超えた後は、
生産性や質の問題になってくるに尽きると思いました。
アフリカは貧しいというイメージが先行しますが、
暮らしてみるとそこには合理的に成立している社会があり、
外野がとやかく言うのは正直大きなお世話のような気もしなくはないように思えます。
例えるなら、
ぼくが回転寿司チェーンに行く姿を見て、
大企業の社長が
「いやいや、寿司は江戸前鮨でしょう」
と言っているようなものでしょうか。
もちろん江戸前鮨の方が高級な食材を使って美味しいのだと思いますが、
それを知らないぼくにとっては、
回転寿司チェーンでも十分満足。
そんな程度の話です。
ぼくは日本の生活を知っているので、
カメルーンにはない便利さや、
質の高い物事を知ってしまっているので、
カメルーン人と全く同じ感覚とはいきませんが、、、
改めてカメルーンに来て、
豊かさって何だろうと常々考えてしまいます。