元営業マン、カメルーンで教師になる

1994年26歳 求人広告/営業・ライター業務を経て退職。青年海外協力隊員としてカメルーンの小学校に勤務。充実した活動をアピールするよりも、現場経験のない自分が体当たりでどこまでやれるのか、そしてその中で感じた素直な気持ちを書いていきたいと思います。趣味はお茶と登山。

〜現地の生活〜教室の中

途上国の教室と言えば、

木造校舎で小さい教室に大人数の子どもが

座っている。

そんなイメージが大半だと思います。

 

改めて教室の中の様子を

お伝えしたいと思います。

 

 

1年間カメルーンの公立小学校の教室を見て

気付いたことは、

 

・1クラス2名体制で運営

 

 

・子どもは1クラス60人〜90人で、1学年1クラス

 

・長椅子と長机を複数の子どもでシェア

 

・基本的に電気設備が壊れたままになっており

教室は薄暗い

 

・教科書を持つ子どもがクラスで1割程度

 

・子どもはボールペンでノートに書く(青色)

 

体罰はゴム製のチューブを使う事が多い

 

・ノートよりもミニ黒板を1人1つ持っており

使用頻度多(見返さないため知識の定着が難)

 

・近くの井戸水が水道代わり

 

・教室や学校に時計がなく、時計は教師の携帯

 

・落第があるため子どもの年齢は同学年でもバラバラ

 


f:id:kake02:20200306083021j:image

f:id:kake02:20200306083034j:image
f:id:kake02:20200306083030j:image

f:id:kake02:20200306083141j:image

 

ざっと挙げるとこんな感じでしょうか。

多少学校によって差はありますが、

基本的に設備、ハードの部分が不足に感じる事が多く、

十分な学習環境が整っているとは言い難い状況であると思います。

 

 

例えば、

1クラスあたりの人数は日本と比べて

圧倒的に多いですが、

学年の人数で考えると日本の学校と大差がないように思います。

 

しかし、人数を細分化してクラスの数を増やす

ということは、とても資金的に現実的ではありません。

 

 

従って

→少ない教室に子どもを押し込む

→教師の目が子ども全員に行き届かない

→子どもの進捗に合わせた対応ができない

体罰や講義形式のような教師がコントロールし易いスタイルが多用される

→子ども同士で学力に差がついてしまう

 

そんな負のスパイラルが生じてしまうのです。

 

 

 

こちらの写真をご覧ください

f:id:kake02:20200306081103j:image

 

 

これは通常1つの学年に1クラスなのですが、

教室が不足しているため、

1年生と2年生が混同している教室です。

(子どもの人数は約200人)

 

一応真ん中から右が2年生、左が1年生と

区分けがありますが、

1つの教室で1人が1年生の授業を、

もう1人が2年生の授業をするという

混み合った状況が起きています。

 

仕切りを作って最低限の区切りを設けた方が

いいと言う声もありましたが、

資金面で折り合いがつきませんでした。

 

 

ぼくらのような協力隊は、

技術協力として派遣されているため、

ハード面に対して資金的に何かサポートをする

ということはできません。

 

従って、

この状況に知恵を絞って少しでも状況が好転

するような仕組みや授業を定着させるのが、

教育系隊員の役割の1つなのだと思います。

 

 

教室の中と一括りで言っても、

パワーポイントを使った授業をやる国もあれば

机椅子が個別に用意されてる国、

黒板とチョーク以外に教材がある国など

状況は様々です。

 

 

その中でも、

日本の教室は子どもの事を考えられた

恵まれた環境であることがわかります。