〜現地の生活〜教室の中
途上国の教室と言えば、
木造校舎で小さい教室に大人数の子どもが
座っている。
そんなイメージが大半だと思います。
改めて教室の中の様子を
お伝えしたいと思います。
1年間カメルーンの公立小学校の教室を見て
気付いたことは、
・1クラス2名体制で運営
・子どもは1クラス60人〜90人で、1学年1クラス
・長椅子と長机を複数の子どもでシェア
・基本的に電気設備が壊れたままになっており
教室は薄暗い
・教科書を持つ子どもがクラスで1割程度
・子どもはボールペンでノートに書く(青色)
・体罰はゴム製のチューブを使う事が多い
・ノートよりもミニ黒板を1人1つ持っており
使用頻度多(見返さないため知識の定着が難)
・近くの井戸水が水道代わり
・教室や学校に時計がなく、時計は教師の携帯
・落第があるため子どもの年齢は同学年でもバラバラ
ざっと挙げるとこんな感じでしょうか。
多少学校によって差はありますが、
基本的に設備、ハードの部分が不足に感じる事が多く、
十分な学習環境が整っているとは言い難い状況であると思います。
例えば、
1クラスあたりの人数は日本と比べて
圧倒的に多いですが、
学年の人数で考えると日本の学校と大差がないように思います。
しかし、人数を細分化してクラスの数を増やす
ということは、とても資金的に現実的ではありません。
従って
→少ない教室に子どもを押し込む
→教師の目が子ども全員に行き届かない
→子どもの進捗に合わせた対応ができない
→体罰や講義形式のような教師がコントロールし易いスタイルが多用される
→子ども同士で学力に差がついてしまう
そんな負のスパイラルが生じてしまうのです。
こちらの写真をご覧ください
これは通常1つの学年に1クラスなのですが、
教室が不足しているため、
1年生と2年生が混同している教室です。
(子どもの人数は約200人)
一応真ん中から右が2年生、左が1年生と
区分けがありますが、
1つの教室で1人が1年生の授業を、
もう1人が2年生の授業をするという
混み合った状況が起きています。
仕切りを作って最低限の区切りを設けた方が
いいと言う声もありましたが、
資金面で折り合いがつきませんでした。
ぼくらのような協力隊は、
技術協力として派遣されているため、
ハード面に対して資金的に何かサポートをする
ということはできません。
従って、
この状況に知恵を絞って少しでも状況が好転
するような仕組みや授業を定着させるのが、
教育系隊員の役割の1つなのだと思います。
教室の中と一括りで言っても、
パワーポイントを使った授業をやる国もあれば
机椅子が個別に用意されてる国、
黒板とチョーク以外に教材がある国など
状況は様々です。
その中でも、
日本の教室は子どもの事を考えられた
恵まれた環境であることがわかります。