元営業マン、カメルーンで教師になる

1994年26歳 求人広告/営業・ライター業務を経て退職。青年海外協力隊員としてカメルーンの小学校に勤務。充実した活動をアピールするよりも、現場経験のない自分が体当たりでどこまでやれるのか、そしてその中で感じた素直な気持ちを書いていきたいと思います。趣味はお茶と登山。

【書類公開】協力隊の選考

協力隊の選考に関する記事が続いています。

前回の内容を前提に進めていきますので、

まだの方はこちらから!

 

kyouryokutai.hatenablog.jp

 

 

今日は実際にぼくが選考で書いた書類を公開します。

色々な方の力を借りながら作成したもので、

少しでも書類作成の際に参考になれば嬉しいです。

 

 

実際の書類公開

 

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上記が実際にぼくが書類選考で送った内容です。

決してお手本になれるような質ではないため、正直恥ずかしい限りですが

少しでも今後協力隊を検討する方々の参考になれば嬉しいです。

 

 

意識したこと

ボランティア活動に参加する動機、抱負について

ここは自身のストーリーがとても反映される部分です。

志望動機は人それぞれだと思うので、

ぼくは「ハゲワシと少女」という具体的なきっかけを記述しました。

よくあるのが、

「学生時代に途上国に旅行して〜」

スタディーツアーに参加して〜」

とありますが、それはあくまでも入り口であり

その先の何の出来事がきっかけで国際協力に関心を持ったのか。

ここがとても重要な部分だと思います。

 

ハゲワシと少女に関しては、ナショナルジオグラフィックからこちら!

natgeo.nikkeibp.co.jp

 

 

自身が考えるボランティア活動の意義、目的について

ここは前回もお伝えしたように、

なぜボランティアなのか。

この疑問に明確に自分なりの答えを用意しておく必要があります。

ぼくの場合は、ボランティアだからこそ現場の最前線で現地の人と関わることができる部分が魅力の1つだと考えていました。

「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教える」

この例のように、協力隊は技術協力であるため資金援助とは違う領域で活動しているという

部分にも注目すべきです。

これらを踏まえた上で、ボランティアとしての目的を考えるとより内容に深みが出ます。

 

 

その職種を選択した理由

その職種を選択した理由を述べる部分です。

まずは選択した職種の内容を理解するとともに、

その職種が求められている背景まで汲み取って考えられるといいですね。

ぼくの場合は、「教育」や「子ども」に関心がありました。

対象となる職種は小学校教育だけに限らず、

幼児教育・青少年活動・環境教育・日本語教師・スポーツ系

など様々です。

その中でも特に義務教育で重要な時期を担う学校現場で活動できる小学校教育が、

自分の選択でした。

 

正直、ぼくが現場経験がなく小学校の免許も持っていない。

そんな人がボランティアや大学の教育学を少し勉強した程度で、

通用するスキルが身についているとも思いませんでしたが、

選択した職種に対しての経験や武器を当時は伝えたかったのだと思います。

 

 

職種に対しての経験やセールスポイントについて具体的に、要請内容との適合性

この部分は自分の強みをアピールする場所です。

ここでは、小学校教育隊員の資質を問われたときの強みを答えています。

ここでも大切なのがストーリーです。

冒頭で簡潔に自身の強みを述べた後に、それを裏付ける具体的なストーリーを述べています。

自分が選んだ要請内容についての適合性も問われているため、

自分の強みを一方的にぶつけるのではなく、

その要請内容に対して求められている部分を推測し、

それに対して自分の強みをぶつけるようなイメージで書きました。

 

ぼくの場合は途上国という未知の環境に対しても、

課題を解決できるアピールをしていました。

また協力隊の派遣目的の1つに異文化交流の要素もあったため、

それを裏付けるストーリーを強みとして述べています。

 

 

 

職種に携わる際に想定される自身の弱点

ここは他の面接でも一緒だと思いますが、

きっと面接官は弱点を知りたいのではなく、

その弱点を理解した上でどのように過ごしていくのか。

ここが気になる部分なんだと思います。

 

今より、

未来の話をしながら弱点を克服していくスタンスをアピールしていたのだと思います。

「経験不足」という弱点はどうやっても埋めることができないので、

逆に開き直って、経験がないからこそ固定概念に捉われず活動できるという言い方をしていました。

 

今では実際に現地で活動したからこそわかりますが、

小学校教育においては、

現場経験がなくても今までぼくたちが受けてきた教育を理解していれば、

十分だと感じました。

どんな経験が豊富な人でも、現地の人とのコミュニケーション不足や物やお金の限界など

外的要因で日本と同じように上手くいかないということがほとんどだからです。

 

 

自己PR

上記で述べた職種に関する強みとは別の部分で自己アピールをする場所です。

ぼくの場合は、

途上国=衛生環境が悪い=JICAは健康診断の結果も選考で重視している=健康な人が望ましい

このようなロジックから生まれた強みでした。

少しネタっぽい感じになっていますが、

社会人の経験も踏まえながら、厳しい環境に適応する力をアピールしていました。

 

 

帰国ボランティアの体験談やエピソードで心に残るエピソードとは

実際にどこまで協力隊の活動をイメージしているか。

この部分を問われている項目だと思います。

前回の記事にも書いたように、

様々な情報源から帰国ボランティアの体験談や活動について知る機会があります。

具体的な活動手法を書く、その人のマインドを現したエピソードについて書くなど

書き方は様々です。

 

ぼくはJICA市ヶ谷の図書室で小学校教育隊員の活動報告書を中心に閲覧し、

その中で印象に残ったものを書きました。

面接編で詳しく書きますが、

面接でこのエピソードを選んだ理由を質問され、

それに答えた時の相手の反応を見て、

合格を確信しました。

 

 

派遣後にどのような活動を行うのか、活動内容や日常生活を含め具体的に

協力隊活動は現場での活動が全てではありません。

現地の人たちと一緒に生活を共にして、理解をするというのも活動の1つです。

ここも、行ったことのない途上国に対してイメージでしか語れない部分ではありますが、

日常生活についても、

現地の人たちとどんな風に関わっていきたいのかアピールするのも大切だと思います。

 

 

帰国後の参加経験をどのように活かすか

この部分は本人の意向が強く現れる部分のため、

回答に正解も不正解もありません。

ただ重要なのが【協力隊をゴールにしないこと】です。

実際に協力隊の活動で充実感と共に燃え尽きてしまい、

その後日本の社会に馴染むことができない。

そんな人もいると噂が協力隊間でも流れています。

 

協力隊の経験によって大きく価値観が変わることもあると思いますが、

現時点の自分の気持ちを真っ直ぐに伝えていきたい部分です。

ちなみに僕自身は応募時点では、

学校の先生、または大学院の進学と書いていますが

今はどちらもピンと来ていないのが正直なところです。

このように、派遣前後で価値観や考え方が変わることは決して珍しくありません。

 

 

大切なのはわからないなりにイメージすること

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「ハゲワシと少女」


以上がぼくの応募書類でした。

今回の記事をきっかけに久しぶりに目を通しましたが、

今と考え方が変わっている部分と変わっていない部分がありました。

 

途上国に対しての理解が甘いと思う部分もあります。

しかし、ぼくの協力隊を志望した動機やマインドの部分は変わっていませんでした。

現地の人とのコミュニケーションを大切に、

現地のレベルに合わせて現地の人と一緒に活動をしていく。

この考え方は、実際に現地に行くと活動を円滑に進める上で非常に重要だと気づくはずです。

派遣前の段階では、その本質がわかりづらい部分もあるかと思います。

しかし、このコミュニケーションの部分はぼくだけでなく

大半のボランティアがその重要性を強く訴えると思います。

その理由がなぜなのか、

自分なりに推測して考えるだけでも選考を受けるにあたって、

意味のあるものだとぼくは思います。

 

 

 

【書類選考編】協力隊の選考

こんにちは、

前回に続き協力隊の選考に関して。

今日は書類選考についてお伝えします。

 

合格までもフローは、

書類選考+健康診断

人物面接+技術面接

合否発表

このようになっています。

 

書類選考は、

全てそうですが今後面接に進んだ際に、

書類の情報をもとに面接官は質問をすることが多く、

また会う前段階において、書類はその人の全てになるため

手を抜くことはできません。

協力隊に関する情報はたくさんあるので、

情報収集をしながら応募書類を仕上げていくと良いと思います。

 

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協力隊に求める人物像

いきなり応募書類に手をつける前に、

まずは協力隊に求められている人物像を知り、

どのようなマインドを持つ必要があるか知ることから始めていきましょう。

 

(1)開発途上国の経済・社会の発展、復興への寄与
(2)異文化社会における相互理解の深化と共生
(3)ボランティア経験の社会還元

JICAボランティア事業の概要

 

協力隊事業の目的は上の3つです。

「途上国の人たちに貢献したい!」という気持ち一本で臨む方もいるようですが、

JICAとしては、帰国後の日本への社会還元も期待していると言うことがわかります。

つまり、協力隊に参加することがゴールではなく

その経験を踏まえてこれから活躍していってほしいという願いも

込められているのだと思います。

 

そして個人的に重要だと思うのが2番目です。

簡単に言うと互いの文化を理解し、お互い歩み寄るような活動をしていきましょう。

そんなニュアンスです。

これはシニアの隊員や自分のキャリアに自信のある人ほど陥りやすいのですが、

現地の人たちの働きぶりを見て、

「なんでこの程度もできないのか」

「なんでこっちの言うことがわからないのか」

「こちらはわざわざ教えに来てあげているのに」

 

このように現地の人たちに対しての期待が故のGIVEが強すぎて、

つい一方的な関わりになってしまうことです。

ぼくもその気持ちはわからなくないのですが、

お互いの価値観が違うため、

こちらの想定通りのいかないことがほとんどです。

時間が守れないのは怠慢なのではなく、

日本のように、みんなが時間管理を徹底している社会ではないから

仕方ないのです。

 

このように相手の文化や価値観をまず理解する。

そのためには現地の人々と一緒に生活をしながら、

信頼を築き、そしてこちらも理解してもらう。

これがかなり大事です。

ただ与えるだけではダメです!

 

これは日本大使館の職員さんが仰っていましたが、

協力隊というのは外交にも一役買っているそうです。

日本人が現地の人たちのためにボランティアとして活動し、

彼らと一緒に協働していく姿は、

日本とその国の関係性を繋ぐ架け橋のような存在のようです。

 

 

それぞれの項目

ぼくが応募した2017年秋募集を参照しているため、

形式が変わってしまっているかもしれませんが、

当時の項目を下に書きます。

応募した当時の自分が、

こんな情報知りたかった!

そんな主観ベースになるので悪しからず・・・

 

1)ボランティア活動に参加する動機、抱負について

こちらは志望動機です。

なぜ協力隊の応募に至ったのか、

その動機や理由、またどんなことをやりたいのか説明します。

国際協力は決してJICAだけではありません。

国連ボランティアやNGOなど様々な関わりがある中で、

なぜ協力隊なのか。

ここが重要だとぼくは思います。

 

2)自身が考えるボランティア活動の意義、目的について

協力隊はボランティアです。

そのため、ボランティアとして活動する意義や目的について

自身の意見を説明する必要があります。

1つ目と被りますが、ボランティアでなくとも国際協力は可能です。

むしろ有償資金協力(お金を使って国際協力をする)が国際協力の多くを占める中で

お金ではなく、技術を使って活動をするJICAボランティア。

ここに意味を見出して自分なりの考えを伝えることが大切です。

 

3)その職種を選択した理由

協力隊には約120種類の職種があります。

なぜ数ある職種の中でそれを選択したのか。

ここを簡潔につたえていきましょう。

 

4)職種に対しての経験やセールスポイントについて具体的に、要請内容との整合性も含め

その職種で活動をする際に強みとなる経験や自分の武器を説明する項目です。

要請内容とは、その職種ごとに具体的に求められる活動内容が書かれています。

応募の際は3つ希望の要請を選択することができるため、

その要請内容とマッチした自身のセールスポイントを説明できるとベストです。

 

因みにぼくの場合は、

職種:小学校教育

要請:カメルーンのムフー市の初等教育事務所に配属され、現地の小学校を巡回しながら

   情操教育の普及に努める

 

5)職種に携わる際に想定される自身の弱点

これは自身の短所を説明する場所です。

現地で活動する上で、自分の短所をどう乗り越えて活動をしていくのか。

この部分は必ず伝えたい部分だと思います。

面接官としてもこの部分でどれだけ、

わからないなりに現地の活動をイメージしてきているか判断する材料になります。

 

正直現地に行ってわからないことは沢山あります。

ぼくもそうでした。

協力隊OB・OGの話を聞いたり、自分の前任者とコンタクトを取り

直接情報を集めたりしていましたが、

当時はわかったようで全然理解できていませんでした笑

今ならわかる。それは現地に行ったからです。

面接官もそこは重々承知しているため、

どれだけイメージして想定しているか。ここが大切です。

 

6)自己PR

弱点に対して、自分は活動するにあたってどのような強みを活かせるか。

ここを説明する場所です。

個人的には別に活動に直結しなくても良いと思います。

結果的に日常生活や現地の人との些細なコミュニケーションから、

活動の幅が広がることもあります。

 

ぼくが街の公園にブランコを作ったのも活動とは全く関係ありませんでしたが、

日本人が作ったブランコが街の人たちに知れ渡り、

普段外出で忙しい教育事務所のボスに自身の活動をアピールすることができ、

味方につけることができました。

 

7)帰国ボランティアの体験談やエピソードで心に残るエピソードは

こちらも、面接官にとって応募者がどの程度活動のイメージができているのか。

またそのための準備や情報収集をしていたのか判断する部分です。

数あるエピソードの中でなぜそれを選択したのか、

その理由を自身の協力隊に対する価値観とともに伝えられたら最高です。

 

8)派遣後どのような活動を行うのか、活動内容や日常生活を含め具体的に

7)と同様に具体的なイメージを固めておきましょう。

活動であれば求められている要請に対して、

具体的な現段階のアイデアを伝えるのも良いと思います。

一方で、協力隊事業の目的2番目の文化的な交流も重要であるため、

ここに関してどうしていきたいか伝えたいところです。

 

9)帰国後の参加経験をどのように活かすか

協力隊はゴールではなく、むしろスタートだと思います。

その経験をどう社会還元していくのか、

または協力隊の経験をもとに大学院で学びを深めるなど

その選択肢は様々です。

派遣後に自分の価値観が変わるかもしれませんが、

現時点の想いを伝えていきましょう。

 

 

情報収集の方法

協力隊に関する情報収集手段はたくさんあります!

・JICAが発行する協力隊の活動を紹介する雑誌「クロスロード」

・JICAのHP

・協力隊説明会

・OBOGの座談会

・協力隊が書くブログ

・OBOGの活動報告書などなど

 

まずは労力が比較的かからない、

HPやブログなどネットの情報から大枠を掴むと良いと思います。

また時間があれば、

説明会に参加するのもありです。

今はわかりませんが当時の説明会は、

概要の説明会だけでなく、説明会後のOBOGと座談会や

個別相談ブースが設けられていました。

説明会にも種類があり職種別説明会や、新卒対象の説明会

語学や途上国に不安がある人向けなどバラエティ豊かでした。

 

そしてさらに深く、リアルを知りたいなら

隊員の個人ブログやOBOGの活動報告書です。

個人ブログでは、

ぼくのような自分語りメインのブログもあれば、

協力隊志願者に向けた記事を投稿している方もいらっしゃいます。

ぼくもこれらの先輩方には本当にお世話になりました。

 

特に協力隊員のブログで有名なのがこちらの方。

宮﨑大輔さん

jiburi.com

 

ぜひ一度ブログを覗いてみてください!

参考になる情報ばかりです。

 

最後に活動報告書に関して。

協力隊員は全員派遣後、

3ヶ月、半年、1年、1年半、最終(2年)のタイミングで

活動報告書というものを提出しています。

これは協力隊事業を支える国民の方々に活動内容を公表しているもので、

一般閲覧が可能です。

 

詳しくはこちら

 

この報告書は当然ぼくも書いており、

第3回まで提出済みです。

現地の教育事務所でその進捗を発表した様子はこちら。

 

kyouryokutai.hatenablog.jp

 

 

活動の様子や活動計画の進捗をこちらで報告しています。

より現場の課題感を知るにはとても良い情報ツールで、

ぼくはかなりオススメです!

自分が希望している国の同職種の隊員のレポートが見つかれば、

より具体的な活動をイメージしやすいと思います。

 

 

今回はかなり長文になってしまい申し訳ありません!

個人的に協力隊を志す人は応援したいと思っているため、

その想いが溢れた結果だと思います笑

もし何か知りたいことがあれば、

こちらに気軽にリクエストいただければと思います。

 

インスタアカウント→kake_came

Instagram

 

ここまでご覧頂きありがとうございます。

次回も協力隊の選考編続きます!

 

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【概要編】協力隊の選考

順番が前後してしまいますが、

そもそも協力隊に応募する前段階を書いたことがなかったため、

今回から数回にわけてお伝えしていきます。

 

協力隊の選考スケジュールは?

選考内容は?

面接はどうだった?

 

など気になる方に対して自分の体験ベースで書きます。

 

 

選考スケジュール

応募・選考プロセス 内容
2月

3月
8月

9月
応募

応募登録(ウェブ応募)
2020年2月20日(木)~2020年3月30日(月)正午締切

5月 11月 一次選考

人物審査、健康審査、語学力診査を行います。

一次選考合否通知

合否結果を通知します。

6月 12月 二次選考

JICAが指定した会場で実施します。
面接(職種によっては試験や作品の提出もあります)を行います。

7月 2月 二次選考合否通知

合否結果を通知します。
一次と二次の選考結果を各国からの要請と照らし合わせ、総合的に判断し合否を決定します。

 

引用元:応募から派遣スケジュール(一般案件)

 

協力隊の選考スケジュールは春と秋の年二回行われます。

選考は3つあり、

・書類選考(健康診断、語学力証明、職種別課題)

・人物面接

・技術面接

となります。

 

1次試験が書類選考で、

書類をパスすると、

1日でまとめて人物面接と技術面接を行います。

 

書類選考においては、

履歴書のような指定フォーマットに志望動機を書くほか、

健康診断の結果や自身の語学力を書類として併せて提出します。

 

健康診断に関しては、

途上国で2年間生活をする上で耐えられる健康状態を鑑みることから、

比較的厳しい審査が行われるようです。

大きな持病などは事前に申告する必要もありますが、

現状の健康状態の数値がなによりも大切なようです。

 

書類選考の健康診断で引っかかり、

1度は不合格になったものの、

生活習慣を整え再チャレンジして合格したという方も珍しくありません。

 

語学力に関しては、

英語であれば英検3級または、TOEIC300点以上とハードルは決して高くありません。

もちろん高得点に越したことはありませんが、

ここではこれから新しい言語を学ぶ上での語学に対する基礎的な学ぶ姿勢や、

能力を判断しているようです。

従って語学力の心配は特に必要ないと、ぼくは思います。

 

最後に職種別課題。

これは職種によって課される課題で、

その職種の観点から意見を問われる小論文のようなものです。

ぼくが受けた小学校教育では課題がなかったため、

具体的な内容は定かではありませんが、

JICAの求める人物像とすり合わせを行なっている目的があると思います。

 

 

 

選考スケジュール(ぼくの場合)

ぼくの場合はこちら。

→11月 書類提出

→12月 書類選考通過

→1月   面接

→2月  合格発表

 

2018年の秋募集に応募をしました。

9月か10月頃に全職種の要請内容(派遣されたときの活動内容)が公開され、

11月に書類を提出。

webで書類選考の結果が通知されるとともに、

自宅に郵送で2次選考の案内が届きます。

 

既に面接の日程が固定されているため、

その日程に合わせてスケジュールを調整します。

面接会場は東京や大阪ほか各地で行われているようです。

ぼくは神奈川出身なので東京会場は特に問題ありませんでしたが、

人によっては関西から東京会場に足を運んだ人もおり、

どのように決めているのかは定かでありません。

 

面接試験はお正月明けてすぐでした。

人数が多いため1日かけて行われますが、

そのほとんどは待ち時間でした。

 

選考から約1ヶ月後の2月に面接結果が発表され、

そこには合否とともに、

派遣時期と派遣国そして学ぶべき言語が確定します。

 

 

※注意点

・書類選考の段階で希望要請を3つ選択できますが、

あくまでも希望でほとんど本人の希望通りにいくことはないようです。

協力隊のスタンスとしては、要請の適性に沿った人材を選択しているため

定員に空きがあったとしても無理に埋めようとはしていないようです。

例えば小学校教育の要請数60件に対して、合格者50人ということもあります。

 

・面接会場で派遣時期に関する調査表が渡されます。

派遣時期は年間で3つに分かれており、

それぞれ1次隊・2次隊・3次隊と区分されています。

(ぼくの時は4次隊までありました)

この調査票は「この隊次だけはスケジュール的に難しい!」というのを

確認するもので、

自身の参加が難しい隊次のみチェックする形式です。

ぼくは1次隊は仕事の兼ね合いで難しいと判断して、

それ以外の隊次でお願いしたところ、

3次隊になりました。

 

 

準備すべきこと

情報収集

募集時期になると全国各地で説明会や、職種に特化した説明会が開催されます。

他にも「途上国に不安がある人向け」「語学力に不安がある人向け」「新卒参加向け」

などバリエーションは豊かです。

 

まずは大枠を掴むために、

説明会に参加すると有益な情報を掴むことができます。

ゲストスピーカーとして協力隊OBOGが自分の体験を話してくれるため、

よりイメージが湧きやすいのも嬉しいですね。

ぼく自身も横浜のJICA事務所主催の説明会に参加していました。

 

ほかに、情報収集の手段として

協力隊のOBOGが書いているブログも参考になると思います。

選考ではわからないなりに、どれだけ派遣される途上国について理解があるか

面接官から見られるため、自分の考えと現実のギャップを埋めるために有益です。

 

以上概要編でした!

次回は書類選考について深掘りしていきます。

よろしくお願いします。

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「悲報」Delf試験延期

来月6日にフランス語の試験Delfを受ける予定でしたが、

受験生の安全を整える準備のためということで、

試験が延期になってしまいました、、、

 

Delf受験の経緯はこちら

 

kyouryokutai.hatenablog.jp

 

仕事をしていないため、

有り余る時間があり、

試験勉強の時間を確保することは難しくありませんでした。

 

だからこそ、

自分の実力を確かめるチャンスとして意気込んでいたばかりに、

延期は残念な結果でした。

 

試験は8月か9月を予定しているようで、

しばらく時間が空きそうです。

 

 

そもそも一時帰国の身分であるため、

万が一カメルーンに戻れるかもしれない!

そうなったら余計不都合のため、

かなり悩ましい状況でした。

 

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少し焦っている現状

実は最近少し焦っている自分がいました。

今は実家で過ごしており、

扱いは日本へ一時出張という形のため、

生活は保障されています。

 

外出することもないので、

省エネの生活をしているため、

特に生活に不安があるわけではありません。

 

しかし、再びカメルーンに戻れる可能性があるかわからない。

むしろ厳しい状況において、

6月末には発表されるであろうJICAからの発表を待っています。

 

このまま戻れなかったら自分のカメルーンの活動は、

何も成果なしで終わってしまう。

もともと次のステップへと繋げるための自己投資の2年と覚悟していたこともあり、

思わぬ計画の破綻に焦りがあるのです。

 

だからこそ、

せめて自分の頑張りを客観的に証明できるように、

フランス語は頑張ろう。

そう思っていました。

なので今回の受験に至ったわけです。

 

頭では資格はあくまでも資格であり、

本当の目的はフランス語を使ってカメルーンの人との活動をより円滑にしたい。

またフランス語圏の人たちとコミュニケーションが取れるようになりたい。

そんな思いがありました。

 

しかし成果を求めて焦ってくると、

本来の目的を忘れて、

自分の安心感を得るためにも資格取得に走る傾向はあるようです。

今のぼくはその1人でした。

 

 

 

盲点だった別のやり方

Delfが延期で返金対応もないとのことで、

完全に詰んだように思えたのですが、

試験を運営するアンスティチュフランセによると、

別の試験に振替ができるとの内容がありました。

 

その試験は、

TCF(Test de Connaissance du Français)でした。

 

TCF (Test de Connaissance du Français) は、フランス国民教育省が認定した総合的なフランス語学力を測るテストです。点数に応じて受験者のレベルを、言語に関する欧州共通基準 (CECRL) の6段階で判定します。TCFは、自分のフランス語能力を英語のTOEICのように素早く確実に測ることを望む、16歳以上の方全てを対象としています。また、DELF・DALFの受験に際し、どのレベルを受験するべきかの判断基準にもなります。受験者にはテストの成績を記載した証明書(有効期間2年)が発行されます。

TCFは国際基準・統一規格の語学試験で、3つの分野がある必須試験と2種類の補足試験があります。

順応性とシンプルさをあわせ持つTCFは、フランス留学をお考えの方や海外で活躍される方のご要望に最適な試験です。TCF Québec は、TCF TP(一般)の必須試験と補足試験の口頭表現試験の受験に相当します。

■TCFのメリット

・TCFには不合格はありません。全ての成績に対して公式証明書が発行されます。各分野に関する自分のフランス語の実力を、欧州共通基準(CECRL)の6段階のレベル(A1 / A2 / B1 / B2 / C1 / C2)で正確に把握することができます。

• TCFの試験形式は日本人の学習習慣になじみやすいものです。解答選択方式の答案はフランスでスキャナー読み取りによって採点され、シンプルで効率的、かつ客観的なテストとなっています。補足試験(オプション)はCIEP(国際教育研究センター)の研修を経て資格を取得した採点官チームによっ
て、二重点検方式で採点されます。

 日本フランス語試験管理センターHPより

 

これはDelfとは異なり、

合否がないのが最大の特徴のようです。

従ってTOEICのように、マーク式でスコアを積み上げていく方式で

読解力やリスニング力など各項目ごとに自分がどのレベルなのか、

知ることができる試験です。

 

 

これを見て、

「あれ、Delfよりこっちの方がいいかも」

そう直感的に思いました。

 

 

そんなことで、

今回はTCFの試験を受けることにしました。

正確にはTCF SOというオンラインで受験ができるそうなので、

試験後はすぐに自分の結果がわかります。

(Delfだと1ヶ月はかかるそうです。)

 

記述式やオーラル試験がどうなるかわかりませんが、

とりあえず受けることができそうで一安心です。

 

 

 

決めつけが良くなかった

当初なぜフランス語試験の中でDelfを選んだのか。

それはフランス語検定と並ぶ、

みんなが受けている王道の試験だったためです。

従ってそれ以外の受験は全く検討外でした。

 

しかし蓋を開けてみると、

今の自分にはむしろTCFの方が求めているものが近かったのでした。

 

もっと冷静に事前準備として情報収集をすべきだったと反省する一方で、

今回の機会で新しい試験を受けるきっかけになったという

ポジティブな気持ちがあります。

 

 

改めて固定概念による決めつけは無意識に起きてしまうので、

気をつけないといけない。

そんな戒めにもなった出来事でした。

 

 

訓練所生活〜休日過ごし方5選〜

前回まで3回に渡って語学訓練の詳細についてお伝えしました。

記事にもあったように、

毎日が怒涛のように過ぎていくため唯一の休日である日曜日は

とても貴重な存在でした。

 

今日はそんな休日の過ごし方を

ご紹介させていただきます。

 

 

 駒ヶ根市内観光

正直駒ヶ根にこうして来るまでは駒ヶ根について全く知りませんでしたが、

「アルプスが2つ映える街」として銘打っているだけあり、

自然豊かで素敵な街でした。

 

・グルメツアー

訓練所から駒ヶ根駅前までバスが出ているため、

バスに乗って駒ヶ根商店街へ。

名物のソーツカツ丼や、歴代協力隊が御用達の

レストランに足を運び日頃の労を互いに労います。

 

生活班や語学クラス、同じ国同士のグループで

親睦会を通してコミュニケーションをとっていました。

 

 

・自然と観光

ぼくの過ごし方というと、

大の温泉好きのため、

近隣に2つの温泉があるため、

週末になると朝から温泉に行き駒ヶ根大自然を満喫していました。

 

またぼくは登山も大好きなため、

1度仲のいい同期と一緒に、

駒ヶ根の名所「千畳敷カール」を半日かけて登り

自然を満喫しました。

時期は10月末にかけてだったので頂上付近は積もった雪が氷になる程

寒く風が厳しい時期でしたが、

登頂したときの達成感はひとしおでした。

 

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ちょっと遠出

日々の門限は22時のためこの時間を1分でも破ることは許されません。

しかし事前に外泊申請を行うことによって、

土曜日の課業後18時から翌日の22時まで休日を取ることも可能です。

 

例えば家族や友達が駒ヶ根に会いに来ている。

そんな理由で土曜日の夜から外出が可能なため、

駒ヶ根から足を伸ばして長野市まで観光にでかける隊員もいました。

 

 

同期主催のイベント

・スポーツ

訓練所施設には、

グラウンドと体育館があり、

課業後には定期的に隊員主体でフットサルやバスケ、バレーボールなど

各自の好きなスポーツをしてリフレッシュしていました。

 

不思議なもので、

始めは仲の良い人たちで固定の曜日にスポーツをしていましたが、

自然と水曜日はバスケ、金曜日はフットサル。

このように習慣化され参加人数が次第に増えていました。

 

休日である日曜日は、

時間がたくさんつかえるため、

掲示板で人数を募り、

トーナメントを開催するなど人数規模の多いものまでありました。

 

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・楽器演奏

紅葉の見える中庭で、

同期で楽器を弾いてセッションする。

そんな光景もありました。

 

ぼくもよくわからないのですが、

訓練所ではウクレレブームが毎年起こるようで、

訓練所に入所してからウクレレを始める人が多く、

賑やかに楽しく演奏をして楽しんでいました。

 

ぼくは以前からウクレレをやっていたのですが、

小さくて持ち運びが便利。そしてコードを覚えれば簡単に弾ける。

そんな理由でカメルーンに行ってからもウクレレはかなり活躍しました。

 

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語学勉強

これは前回でもお話しした内容です。

多くの隊員は夕方まで外に出かけてリフレッシュし、

夜は教室で語学勉強の流れが一般的でした。

英語クラスだけは既習言語ということもあり、

割とワークとライフのバランスが両立できていて、

フランス語勢からしたら羨ましい限りの光景でした。笑

 

 

自室に引きこもる 

平日は毎朝6時半から訓練が始まります。

夜は遅くまで勉強をするため疲労が溜まっているのでしょう。

朝は思いっきり朝寝坊をして、

自室で好きな時間を過ごす。

そんな過ごし方も精神衛生上大切ですね。

 

 

以上が訓練生の休日の過ごし方でした。

今回は深堀していませんが、

休日は訓練所で結ばれたカップルで出かけるというのも、

駒ヶ根訓練所の風物詩のようです。

 

休日にしっかり英気を養い、

また月曜日から頑張る。

このメリハリは70日間を健康に過ごす上でとても大切なスキルでもあると

ぼくは思います。

訓練所生活~ストイック語学訓練③~

前回そして前々回と、

2回にわたり語学訓練の内容をお伝えしました。

 

 

kyouryokutai.hatenablog.jp

kyouryokutai.hatenablog.jp

 

本日は語学訓練の総括と、

ぼくが考える語学の話をします。

 

目次

 

訓練所はやっぱり日本一の語学学校だった

振り返ると70日間常に語学やそれ以外の座学やプログラムで、

ゆっくり休む暇がないほど走り続けていましたが。

それでも最後までしっかりやりきらせる環境が整っていたおかげで、

充実した時間を過ごすことができたと思っています。

 

そしてその継続を支えてくれたのは、

同期隊員の存在だったと思います。

初めてのフランス語、同じ志を持って参加した協力隊。

置かれている境遇が近いこともあり、

時には試験の点数を競ったり、時には夜に自習を一緒にしたり。

互いに切磋琢磨できた良い関係だったんじゃないかと思っています。

 

もちろんバックグラウンドが違う人同士が集まるため、

感情的にぶつかることや、

相手の価値観が理解できない、

追い込まれて不安定になる人など様々います。

価値観が成熟している社会人が70日の共同生活を行うわけなので、

このような衝突は少なからずあるのだと思います。

 

しかし、最後の退所式ではみんなが思い思いの感情が溢れ出て、

互いの頑張りを涙して認め合う。

そんな経験は後にも先にも多くはないのでしょう。

 

そういう意味でも、

語学力の向上はもちろんですが、

これからより過酷な途上国に派遣されるにあたり、

人間として成長できる場所だったのだと思います。

 

 

◇最終日の様子◇

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壮行会では伝統となっている語学の先生のスピーチと通訳。

ぼくらの隊次はフランス語が担当するとのことで、

ぼくの担任の先生とぼくが壇上にあがり、

スピーチをしました。

(彼は日本語も流暢なので通訳の必要はないのですが、これもパフォーマンス笑)

 

 

  

 

フランス語力はどれくらい向上したのか

実際に資格試験を受けた訳ではないので、

明確にどのくらいの力が身に付いたかわからなかったのが正直なところです。

 

目安として授業の後半では、

フランス語検定3級レベルのの問題をやっていたそうなので、

そのくらいのレベルには達していると担任の先生は言っていました。

実際のところどうなのでしょう、、、

 

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フランス語教育振興協会より

合格のための必要勉強時間は、

200時間と書いています。

少なく見積もっても授業と

自習で1日6時間はフランス語に触れていたことを鑑みると

70日で420時間。

射程圏内ではあると思います。

 

 

 

実際に現地で通用したのか

訓練所では現地で活用できるためのフランス語として勉強しました。

一流の先生と一緒に短期集中で勉強しました。

 

 

でも実際に現地に行ったら、

通用しませんでした。

 

 

これが現実なのかと、

最初はがっかりした記憶があります。

ですがむしろ、

たった数か月で語学を習得できるほうが不思議なくらい。

 

現地の訛りや言い回しの違いなど多少あるかもしれませんが、

やはり知識を入れて、忘れて、また入れる。

この繰り返しによって定着し、

その結果「慣れ」がくるのだと個人的には考えています。

 

実際ぼくがカメルーンの人たちと、

「なんか会話できているかも」と実感し始めたのは、

現地で生活して4.5か月くらいだったと思います。

 

その実感が体感できると、

今までが無駄ではなかったと胸を張って言えることにもなり、

語学の勉強にさらに身が入りました。

 

 

語学の勉強は自転車のようなイメージだと思います。

漕ぎ始めはペダルは重くバランスを崩しやすい不安定な状態ですが、

前輪と後輪、言い換えるならインプットとアウトプットの2輪を

バランスよく回していくことで、

次第にペダルが軽くなりバランスが安定する。

 

最初は苦しいかもしれませんが、

できることが増えると語学の楽しさに気づくのかもしれません。

 

 

 

語学はツールである

 ぼくは協力隊を志望したときは、

英語圏の派遣を希望していたので、

今までの自分はフランス語のフの字もありませんでした。

 

それが縁あってカメルーンへの派遣が決まり、

訓練所でフランス語に触れ、

それを使ってカメルーンの人たちとの繋がりが持てました。

 

本当に文章を書いている今も、

この不思議な繋がりに感慨深さを感じています。

 

フランス語の扉を開いてくれた、

訓練所の担任の先生には今でもすごく感謝しています。

 

そして彼のおかげで、

カメルーンの人と出会い、

友達や頼れる同僚ができたり、

カメルーンの人たちと様々なできごとを体験しました。

 

 

語学の勉強をしていると、

目先の点数や問題集の正答に捕らわれてしまいがちで、

その勉強は退屈で我慢の連続だと思うことがありました。

 

実際に今、

来月に控えた語学の試験勉強をしている自分も、

そのような思考に無意識的に陥ってしまうものです。

 

しかし今ではネットによって、

気軽に国境を越えてたくさんの人と繋がることができる恵まれた時代です。

日本に一時帰国中の今でも、

頻繁にカメルーンの人たちから連絡が来ると、

彼らとの繋がりを思い出します。

 

 

ぼく自身もまだまだ語学のレベルが高いわけではありませんが、

語学を学んだ先にある多くの人とのコミュニケーションを楽しみに、

これからも継続して頑張りたいと思っています。

 

それぞれ学んでいる言語は違うかもしれませんが、

一緒にがんばっていきましょう! 

 


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訓練所生活〜ストイック語学訓練②〜

前回から駒ヶ根訓練所の語学訓練について

どんな流れで過ごしてきたのか

お伝えしました。

 

前回の記事はこちら

kyouryokutai.hatenablog.jp

 

 

今回はそんなカリキュラムの中で、

通常授業とは異なるイベントがあったので、

そこを深掘りしていきます。

 

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 主なイベントはこちら。

 

 

 

中間試験

 

こちらは名前の通り、

訓練期間70日のうちの半分にあたる、

35日前後で行われる語学試験です。

 

日頃の授業範囲から出題されますが、

リスニング、筆記、オーラルと

総合的に評価されます。

これはフランス語に限った話ではなく、

全ての言語共通の試験方法のようでした。

 

オーラル試験では、

現時点の授業に関してどう思うかなどの

日常会話から、

自己紹介や派遣国カメルーンについて聞かれた記憶があります。

 

 

具体的な得点や採点は忘れてしまいましたが、

合格点が定められており、

これを下回るとJICAスタッフとの

面談+外出禁止のペナルティがあります。

 

これは噂レベルだと思っていましたが、

実際に面談に呼ばれた隊員もいるようで、

脅しではないため、

試験前は特にみんな必死で勉強していました。

 

 

※基本的に英語は既に既習済みのため、

TOEICのような試験タイプのため、

試験範囲は一応あるようですが、

他言語に比べて幅広いようです。

 

 

 

語学交流会

 

こちらは中間試験が終わってからの

イベントです。

実際に今まで学んだフランス語を使って、

ネイティブの人たちと会話を通して、

より実践的な語学力を身に付ける

目的があります。

 

この語学交流会は

2つのパートに分かれています。

前半は各クラスに1人ネイティブの人がつく形になっており、

各クラスで事前に企画したものを行います。

 

ぼくたちのクラスは、

日本在住のセネガル人の方で、

初めに自分たちの出身紹介をプレゼンし、

その後来てくれたセネガル人に対して、

自由に質問するという内容でした。

 

他のクラスでは、

日本の伝統文化を伝えたり、

一緒に工作したり、

ゲームをしたりと自由度が高く、

自分たちで授業を作り上げるようなものでした。

 

 

後半では、

フランス語全クラスが講堂に集まり、

フリートークを行いました。

ぼくは後半パートの司会進行を

務めることになり、

始まりの挨拶と終わりの挨拶を

無事に成し遂げるというミッションに

押し潰されそうになり、

あまり積極的に色々な人と話せなかったのが

少し残念でした。

 

しかし訓練生にとっては、

初めて先生以外でフランス語話者の人たちと

フランス語を使って

交流する機会でもあったため、

とても今後の語学勉強の励みになる1日だったと思います。

 

 

この語学交流会を通して感じたことは1つ。

それは

「あれ、意外と相手に伝わる」

という確かな実感でした。

 

もちろん相手の話すスピードに

ついていけない、言いたい事が言えない

そんなもどかしさ。

 

まだまだ勉強不足を痛感しましたが、

相手が自分の話を聞き取ろうと耳を傾け、

そしてこちらも相手を理解しようという

スタンスでいると、

不思議と通じ合えるという事がわかりました。

 

1日限りのイベントでしたが、

とても有意義なものでした。

 

 

 

アトリエ

 

これは実際に現地の活動を想定したもので、

教育系であれば模擬授業、コミュニティ開発などの職種であれば模擬ワークショップ。

そんな位置づけの授業です。

 

従って既存のクラスではなく、

完全に職種ごとに別れたクラス編成となり、

担当の先生もシャッフルされました。

 

ぼくのクラスは、

ぼくを含め全員小学校での活動を予定されている隊員のため、

模擬授業中心で行われました。

 

1人1回のみでしたが、

20分時間を任されており、

その時間で自分で構成した授業を

フランス語のみで行いました。

 

模擬授業のバリエーションは豊かで、

体育をやった隊員もいれば、

算数を行った隊員もいました。

 

ぼくは音楽・図工・体育を中心とした

情操教育が活動のメインテーマだったため、

図工をテーマに、

シャボン玉と絵具を使って画用紙に模様をつけるといった内容でした。

 

経験済みの今でこそわかることですが、

実際現地に行くと道具は何もなく、

また子どもの人数も100人近いため、

教材を準備するということ自体が、

とてもハードルの高いことです。

 

他にも理由は色々あるのてすが、

結局ぼくはカメルーンで図工は2,3回のみで

現地で持続的に活動できるやり方を

模索し続けていました。

 

従って、このアトリエの経験が

直接現地の学校で活かせた訳ではありませんが

まず自分で授業をやってみる。

この経験はとても大きなものだったと今でも思います。

 

愚直に机の上で勉強することも大切ですが、

節々に自分のモチベーションを

高めてくれたり、

時には発表という緊張感のある

場面を設けるなど、

とても70日間やり切らせるためのノウハウが詰まっているカリキュラムだと思います。

 

 

期末試験

 

訓練所の卒業を賭けた最終試験です。

これが終われば訓練所生活も終わる、

そんな感傷に浸る場面もありながらも、

最後の大詰めで皆勉強を続けていました。

 

因みに、

どうしても中間試験を過ぎたあたりで、

試験は思ったより

絶望的な試験ではないという事がわかり、

学習意欲が緩む傾向があるようなのです。

 

しかし、中間試験から期末試験までの追い込みが、1番伸びると言われているだけあり、

ぼくのような下位クラススタートだった人が

気付いたら追い越している。

そんな事が起きるようです。

 

実際にカメルーンに到着して、

現地語学訓練が1カ月あり、

その時のクラス編成では、

真ん中のクラスに上がっていました。

 

試験内容は中間試験と同様に、

リスニング、筆記、オーラルの3つ。

この成績で訓練所卒業かどうか決まります。

ぼくらの隊次は全員卒業できましたが、

過去には卒業できなかったor派遣までの間に個別で語学の課題を課される

という人がいたようです。

噂レベルですが、、

 

 

ぼくの体感としては、

語学の先生を信じて

言われた通りの勉強をすれば、

難しいと言われるフランス語でさえ、

基礎は身につくと思っています。

 

むしろ更に難易度が高いであろう、

アルファベットを使わない現地語の人たちは、

文字から勉強を始めて、

最終的に現地に派遣されるレベルにまで

引きあげられます。

 

そう考えると改めて、

訓練所はすごい環境だと思います。

(今思うとまだまだレベルが低いと断言できますし、現在のぼくの語学力も

今後の自分から見たらまだまだ低レベルだと感じると思います。)

 

 

 

次回は語学訓練の総括として、

締めたいと思います。